ごあいさつ

フレイル漢方薬理研究会 代表世話人 乾 明夫

超高齢社会の日本では、健康寿命は平均寿命よりも、男性では約9年、女性では約13年も短く、加齢による健康寿命の延長は喫緊の課題となっています。「フレイル」とは、加齢に伴って筋力や心身の活力が低下した状態です。転倒・骨折などを起こしやすく、要介護状態の前段階とされています。その一方で、自立生活は送れる状態であり、適切な対策を講じることで、再び健康な状態に戻れる可能性もあります。しかし、フレイルでは、筋力低下や栄養不良などの「身体的フレイル」、不安や抑うつ、認知機能低下などの「精神・心理的フレイル」、独居や閉じこもりを背景にした「社会的フレイル」といった多彩な要因が複雑に関係しているため、その対策は困難です。

そこで、私たちは多彩な病態に1剤での対応が期待される多成分系の漢方薬に着目し、高齢者医療の更なる発展に寄与することを目的に、「フレイル漢方薬理研究会」を立ち上げました。なかでも、高齢者や術後の全身状態の改善に多くの報告があり、免疫機能の改善が期待される補剤の「人参養栄湯」に注目し、臨床・薬理の視点から「人参養栄湯のフレイルに対する有用性」を解明すべく、活動を進めてまいります。

  • フレイル漢方薬理研究会 代表世話人
  • 乾 明夫